うしろすがたのしぐれてゆくか

愛するフレンチブルドッグと昨日と今日と明日と旅と。

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ビッキーと友人は、ほんの数日間のバリ滞在を終えて
それぞれまた、タイと日本に帰って行った。

私たちはその後の旅の途中でも、タイには何度となく行ったけど
交通の便がいいバンコクばかりに滞在していた。
彼女が住んでいるのはシラチャという、バンコクから車で2時間ばかり移動した
海の近くの、のんびりしたきれいな街だそうだ。

数年後に私たちは帰国し、マンスリーマンションを伊勢佐木町~浦和と転々としながら、なにもかもをいちからやり直しという状況に翻弄されて
本当に仲の良い友人知人にしか連絡を取れないでいた。
3年半前の出国の時に家財道具をほとんど処分したのだが
そのときのゴタゴタの中でアドレス帳を失くしてしまい
帰国して2年も経ってから連絡がついて、やっと再会を果たした友達もいる。

そんな中で、比較的帰国直後から連絡を取りあっていたその友人が
ときどきビッキーの近況を教えてくれた。

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そもそも友人が彼女と知りあったきっかけは
彼が常宿にしているホテルにほど近い美容院で、彼女が働いていたからだそうだ。
あまり器用なタイプではなかったらしく、おっちょこちょいでヘマばかりやっているのが気に入って、いろいろ話しかけるうちに(といっても言葉自体はほとんど通じないけど)仲良くなって、何人かでゴルフや食事に行ったりするようになったらしい。

その後もずっと、友人がタイに行く時は必ず会って
遊びに行ったりしていたのだが、その時に何度かお金の無心をされたのだという。
どうしたものかとのらりくらりしているうちに
ある時、日本にいる友人のところに彼女から連絡があり
「お母さんと屋台を開きたいからお金を貸してくれないか?」と言ってきた。
その金額は日本円にしたってそこそこの額だったし、いろいろ考えた揚げ句
友人はすこしばかり彼女と距離を置くことに決めたのだった。

私も同じような気持ちになったことがよくある。
例えばバリで。
ごく親しい人が私に「今度来る時はこれを買ってきて欲しいの」
と、日本のあるメーカーのクリームを私に見せる。
確かに1500円程度の、ドラッグストアでよく売られているものだから
日本で働いている人にとっては何てことない金額なのだが
「買ってきて」というのは「あとでお金を払うから」ということではなくて
「ちょうだい」と同じことなのだ。

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はじめのうちはどうしようか…と悩んだこともあるけれど
そんなことは毎日のように、あらゆる人が言ってくるし
相手はまったく悪びれているふうでもない。
私たちも次第に慣れて、うまくかわしながらやり過ごしたり
時には返ってこないものと分かっていて、お金を渡したこともある。
お金を介さない友人、あるいは恋人関係というのも
貨幣価値にあまりにも差がある場合は、なかなか難しいような気がする。
私たちはそのへんのことは割り切っていたので、特に難しく考えたこともなかった。
そういうもんだよ…と思うようになっていた(もちろんそんなものにとらわれない、素晴しい関係を築くことができた人たちもたくさんいるのだろうが…)。

ただ、友人がそんなふうにお金のことばかり言われて
ちょっぴり彼女に嫌気がさしたのも分かる。
日本人の感覚からすれば、そうだろう。
なんだよ、俺はただの金づるかよ………と思って当たり前だ。
仲良くしていた分、すごくガッカリもしたのだろう。

結局、しばらく会わないでいるうちに彼女が入院したという話が聞こえてきた。

それから間もなく、だんごさんが家に帰って来るなり
「ビッキー、死んじゃったんだって!」と言った。
病気は何だったの?
乳がんだって。
えー、だってまだ30ちょっとなのに。
最初から手遅れだったのかな、それともタイの病院だから?
日本の病院に通ってたら、もしかして助かってたかな。
あんなにお母さん思いだったのに、お母さんより先に死んじゃったんだ。

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ビッキーとの思い出は、バリで会ったほんの数日間だけのことだけど
かえって、ああいう死生観が独特な土地だったからこそ
今でも私の記憶に鮮烈に残っているような気がする。
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ビッキーさん、亡くなってしまったと読んだ時は、びっくりしました。こういう言い方は、変ですが、まるで映画のようですよね。

人間は、誰でもお金が関わってくると人間関係が難しくなると思います。うちの夫も、ロシアに出張に何度か行ったことがあるのですが、仕事の関係で知り合ったロシア人達を夕食に招待してあげたのですが、キャビアをいっぱい食べても、ウォッカをたくさん飲んでも、フランス人からしてみれば、かなり安い値段だそうです。(フランスだったら、どうでもいいレストランで払う値段くらい)でも、ロシア人にとってみれば、大金持ちにしか払えない値段なんてこともあるそうです。だから、夫としては、おごってあげようと思うわけです。それで、ロシア人たちは、大喜びなわけです。これで良かったか・・・と思えば、そうでもなく、また、おごってもらいたくて、すごく親切にしてきたりと、人間関係が難しくなったと言ってました。

2007.03.05 23:00 URL | Snoopyママ #- [ 編集 ]

前回の終わり方が切なかったのは、こういうことだったんだね・・・。あの、これって本当に亡くなったのかな?(とても失礼な言い方だけど)タイの人っていい加減なイメージが
あるから一瞬そんなことを思ってしまった。

バリの人達は、(お金や物などを)持ってる人が持ってない人にあげるのは当たり前だという考えが基本的みたい。
けど、それを言ったら日本人とバリ人の関係はいつまで経っても不自然なままだよね。
なんとか平等にしたいけど、、所詮無理なことなんだろうか。

2007.03.06 19:37 URL | 8っ #- [ 編集 ]

>Snoopyママ さま
そういえば、私がバリに滞在していた数ヶ月ほどの間にも
踊りの先生のお隣の家でお父さんが自殺してしまったり、生徒仲間(日本人)が
泊まっているホテルで、20代のホテルマンが心臓病で夜中に急に亡くなったり、
私が泊まっていた近所のカフェで刃傷沙汰があったりと
けっこう色んな出来事がありましたね。。。

物価の差は、日本→東南アジアではものすごいことになってます。
ロシアも案外物価が安いんですね。
日本ではランチが大体1食1千円だとすると、バリやタイでは100円以下でした。
こっちはそんなに大金持ちのつもりはなくても(例えば、日本人の青年の平均月給を聞かれて、20万円くらいという話をすると)、相手からみれば、それは年収になってしまうんですよね。いくら、その分家賃が高いとか、コーヒー代が500円だとか説明しても「それでもあんなに若い女の子達が海外旅行に来られるんだからお金持ちだ」
と言われます。確かにその通りだな…と、なにも言えなくなってしまうんですよ。
難しいところですけど、ある程度の割り切りが必要なんでしょうね。

>8っ さま
私もはじめは「嘘でしょ~」って思ったんだけど、
現地のゴルファーとかホテルマンとか、日本人の知り合いからも聞いたみたい。

バリ人同士でも、王族達には近所の人がお金を借りに(もらいに)来るんだってね。
踊りの先生に聞いたんだけど、昔、日本人の嫁が離婚したいって言ったら
彼女が持参したお金を持っていかれたくなくて、相手の家族に軟禁されたんだって。
結婚する時にまったくお金を持っていかなくて、日本人の親戚も出てこなければ、平等にいくかなぁ。
私(恋愛ナシ)や友達(恋愛関係)の経験では、仲良くなればなるほどお金の話が出てきたよ。

2007.03.07 01:47 URL | チタリニ #- [ 編集 ]













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