うしろすがたのしぐれてゆくか

愛するフレンチブルドッグと昨日と今日と明日と旅と。

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日々の洗濯は、すべて手洗い。
柔軟剤などという小粋なものは無く、石けんや、時にはシャンプーを使用。
もちろん今現在の話ではなくて、旅のあいだのこと。
そしてこれがかなりの重労働。だって、タオルもシーツも手洗いするんだぜ。
水をたっぷり含んだバスタオルやダブルサイズのシーツがどれだけ重いか、ぜひとも想像して欲しい。洗剤を含んで泡まみれになったバスタオルをすすぎ終わるまでに、いったいどれだけ時間がかかるのかも。

Tシャツなんて手で絞るうちにだんだん形崩れしてきて、新品でも、ものの数週間でヨレヨレになってしまうし、白いものはいつのまにか黄ばんでいる。これは水の成分によるものだろう。水道水にはいつも木屑やゴミみたいなのが混入していて、うっすら茶色がかっている。タンクを掃除するとネズミやら虫やらがいっぱい浮いているという噂だった。ただ、私たちは毎日その水でごはんを作っていたし、生野菜も洗って食べていたけどね。

バリは他の国の安宿に比べると部屋やバスルームが広いので、洗濯という点では大助かりだ。スーパーでたらいかバケツを買ってきて、タイルの床にずっとしゃがみっぱなし。この体勢がものすごくしんどい。
時間もかかるから、だいたい午前中いっぱいは踊りのレッスンと洗濯でおしまい。

今ではバリでも洗濯機の普及が目覚ましくなったけれど、昔はみんな手洗いだった。
電気代がかかるからと、洗濯機があるのに滅多に使わず手で洗っているイブもいたし、そうでなくとも停電が多いから使い物にならないのだろう。
あと、バリ人の謎だけど。せっかく洗ったカイン(布)やシャツなんかを干すのに、ぼうぼうに茂った草とか、田んぼの稲の上に広げて干す。確かに太陽の光は直接当たるけど、草いきれがすごいし、何より虫がたくさん付く。昔ながらの方法なのかな。
それと、どういうわけかほとんど絞らないで水ダラダラ状態で干してあったりもする。はじめはシワにならないようにしてるのかと思ったが、バリ人は殺菌だとかですべてのものにアイロンをかけるのが普通なので、もしかしたら単に絞るのが大変だからというだけなのかもしれない。

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バリの雨期は日本の梅雨以上に雨ばかりなので、せっかくきれいにあらったものもすぐに雑巾臭くなる。そんな時期にショーを観に行くと、まわりの欧米人のTシャツがくっさいのなんの。日本人はなぜか無臭の人がほとんど。匂いにはかなり敏感な民族なんだと改めて思う。加齢臭なんて気にしているのは日本人くらいじゃないだろうか。
とはいえ、私はとても鼻がいいので臭いのはホントにつらいのよ。どうにかならないわけ? と、友達に尋ねると、どうやら周囲は殺菌剤を使っているらしいじゃないの! これは洗濯にも使えるし、床のタイルを拭く時も使えるという優れもの。さっそく買いに走り〈DETTOL〉という、そのイギリス製の液体をすすぎの最後の仕上げに入れてみた。おう。確かに。これを使うと匂いがしない。
「殺菌」というところがちょっとビビるけど、雑巾臭い女よりはマシだろう。
常に暑くて湿っている環境というのは、日々、菌やウイルスとの戦いで、なかなかナチュラルな生活とはいかない。

そうそう。忘れてはいけない大切なことがある。
バリにおいて「洗濯物」というのは不浄なものだ。特にそれが下着類だったりするともう…。
頭は神が宿る神聖な場所なので(子供の頭を撫でるのは超御法度!!!)、絶対に腰よりも下に干さなければいけない。だけど最初は、そんなことぜんぜん知らなかった。

ホームステイにいた時、日本でやるように鴨居みたいなところに洋服やパンツ、ブラなんかを引っ掛けて干していた。
イブが掃除に入ったあとは、それが必ず窓の下の方にある枠に引っかかっている。
「ガラス拭をしたからずらしたのかな」なんて、毎回軽く考えていた。
それについてイブは何にも言ってはくれなかった。イブだけでなく、もともとバリ人はあまり忠告やら自分の意見を直接は言ってくれない。遠回しすぎて察するのも困難という場合も多い。
これじゃ、文化の摩擦が起こってもしょうがないと思うんだけどな。

ただ、あるとき「洗濯物はこれを使っていいわよ」と、腰の位置ほどの、木製物干しスタンドを貸してくれた。これだって「この場所に干してね」と言われたわけではないので、私は親切心からなのだろうと思っていた。
日陰ではなかなか乾かないから、部屋の目の前の陽のあたる場所に置いていた。

0706309.jpg

ある日。
「親戚が来てるから洗濯物を室内に片付けて」と、ちょっとイラッとした感じで言われた。確かに人が来た時は私だって目につくところに洗濯物があったら嫌だから、もちろんそれには素直に応じた。
だけど、それが本当の理由じゃなかったのだ。

後日。
とうとう決定的なことが起こった。
イブが私たちの部屋に掃除に入るという日。
「ちょっとちょっと来てー!」と、庭にいた私たちを呼ぶ声がする。
「それを取ってちょうだい!」と、イブ。
〈それ〉とは室内の隅に張られた洗濯ロープのこと。あれ以来、外に干すのがダメなら室内に干すしかない。窓に掛けると外から見えてしまうからと、バスルームの入り口にロープを渡しておいた。そのとき洗濯物はかかっておらず、ロープのみが張られていた。

そこでようやく私たちは腑に落ちた。
洗濯物は不浄なものなんだ! ということは、ロープだって不浄なのだ。イブはその不浄なロープの下をくぐることが出来ない。よって、バスルームの掃除が出来ないので私たちを呼んだというわけだ。
だけどやっぱり、ちゃんと言ってくれたわけじゃないので、まあ、想像だけど。多分そういうことなんじゃないかな。

その後に借りたバンガローでは洗濯ロープが最初から屋外にあったけれど、庭の一番陽の当たらないところで、下には用水路。しかも低い位置に張られてあった。だから、いつも洗濯物は生乾きでジメジメだった。
うーん。文化の違いって本当に大変だ。
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ロングステイすると、そういう事も沢山あるんだねぇ。
ちょろっとしか遊びに行ったことの無い私は
常にツンパ乾し放題でした。
常識が非常識になるというのは
きちんと教えてくれないと分かりにくいよね~。

2007.07.02 15:33 URL | ika69 #- [ 編集 ]

>ika69 さま
ハッキリ言ってくれないのなら
せめて「イラッ」とするのはやめて欲しかったです。
お互いにじれったい感情のせめぎ合いだったんでしょうか。
クタみたいに海沿いの街よりも、
山奥のウブドの人たちの方がそういうのには細かそうですよね。

2007.07.02 15:57 URL | チタリニ #- [ 編集 ]













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