うしろすがたのしぐれてゆくか

愛するフレンチブルドッグと昨日と今日と明日と旅と。

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そういえば子供の頃は、ホームレスを見たことがなかった。
単に私の田舎にはいなかったからというのが理由で、はじめてその存在を知ったのは東京に出て来てから。
多分いちばん近づいたのは、学生時代に歌舞伎町のマイアミでバイトしていた友達に会いに行った時。そこのすぐ上の階にあった空き部屋で寝泊まりしているらしい彼らが、階段を上って行く時口々に友達にあいさつをしていたのだ。
「ちょっとー。知り合いなの?」
「だって、毎日会うから、いつの間にか挨拶されるようになっちゃって」
なーんて言ってた友達も、今はもうこの世にはいないけど。

実家の近所には、人が住んでいるとは思えない位とてつもなくオンボロの家もあった。だいたいおじいちゃんかおばあちゃんがひとりで住んでいて、近くにある畑を耕しながら、なんとか自分で食べていけるだけのものを作っていた。
そういう人達は、私の家の前にも野菜を置いていってくれることがよくあった。
だから、生活が本当に苦しいのは、生きていくのが辛いのは、過去に生活保護強制辞退問題で話題になった北九州市みたいな地方都市なのだろう。
田舎は近所付き合いさえうまくやっていれば、多分ギリギリ食べてはいける。
東京のホームレスだって、新旧の縄張りはあるみたいだけれど、ほとんどの人が餓死すること無く生き延びているように見える。
戸山公園辺りには、若い人もたくさんいたし。

ときどき、生活保護をもらっている世帯に対して不公平感を唱える人がいるらしい。
「あそこの家は生活保護をもらっているのに寿司の出前を取っているが、不正受給じゃないのか?」
こういう電話を掛けてくるのは、大抵が近所のひとだという。
どんなひともいつも「福祉に税金を使って欲しい」と言っている。
だけどそれは、他人にじゃなくて自分に使って欲しいと思っている。
「自分のうちはまっとうに働いても寿司をとる余裕がないというのに、あの家は生活保護で、うちの給料よりもらっている額が多いのではないか」という猜疑心というのか嫉妬心なのか。人間の気持ちって難しい。
だけど、もし自分がもらう側になったら?
そんなことを爪の先ほども考えないで毎日を暮していけるとしたら、それだけで私にとっては夢のような世界みたい。
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ホームレスなのかはハッキリ分からないが、北区で「酔っぱらって公園のベンチで寝ていた労働者が少年に火をつけられた」というニュースを見たとき、とっさに「最近の子供はゲームばっかりやって普段人と触れ合ってないからな」と思った。
きっとお金持ちの息子たちが遊び半分にやったのだろう。
しかし次の瞬間。少年たちの職業が「15歳・無職」とか「17歳・左官職人」と出たのを見て愕然とした。これは、もしかしたら大きな勘違いをしているのかもしれない。
いろいろ事情があるのかもしれないけれど、この年齢で高校に行っていなかったり働いているというのは、お金持ちの息子なんかじゃないのかも。


インドでこんな話がある。
ホテルで部屋の掃除を頼むとひとりの男がやってくる。
「シャワーが出ないから、治しておいて」というとまた別の人を呼んで来る。
「ついでにこの服洗濯して」と頼むと、また別の人…という具合。
それぞれのカーストによって職業も分かれているようだ。
上の方のカーストよりも最下層に行けば行くほど、上がより下を差別するのだという。「あいつは俺よりもっと下のカーストなんだ」という感じで。
北区の事件では、なんとなく、それと似たようなものを感じてしまったんだけれど、思い違いだろうか。
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都内を走る、お気に入りのバス路線。
途中で通過する団地の外観がとっても情緒がある。夏の間はよく乗っていた。
そこはかなり大規模な団地で、1Fには屋台のような食べ物屋や新聞販売所、自動車修理工場のようなものが軒を連ねている。
8月のある日、窓の外に映るその団地の風景を眺めていると、新聞販売所に少年たちがたくさんいるのが見えた。夏休みのアルバイトだろうか。それとも新聞奨学生?
配達が日に二回もある上に、集金までするのはかなり大変だろうな。
そしてまた別の日…それは土曜か日曜日の夕方前の、まだ日の照っている猛暑の日だったのだが、そのあたり一帯の建物は、ほとんどすべての部屋の窓が開いていた。
クーラーが嫌いでつけないのか、はたまたクーラーを設置できる余裕が無いのか。
いずれにしても、風にそよぐ洗濯物を見る限りでは、お年寄りが多い地区らしい。

夕方、首にタオルをまいて自転車にまたがって行く少年たちの後ろ姿は、今私が住んでいる地域ではまったく見たことが無い。
ここら辺で見る若者の姿といえば、金曜の夜に路上で歌っていたり、公園でダンスの練習をしていたり、ファストフード店に並んでいる後ろ姿だ。
住んでいる区や市によって、風景というのはぜんぜん違う。街の風景も人の風景も。
でもそれはそれで、金髪のギャルも一生懸命踊っている子供たちもみんなカワイイと思うけどね。
ただ、行き場の無いものを抱えた子供はいったいどこに行けばいいんだろう、とも思ってしまう。自分も昔は子供だったから、何となく分かるし心配になる。

そういえば団地って、西日本では「文化住宅」っていうんだってね。
実は、今すごく欲しい本が「赤い文化住宅の初子」っていう漫画本なのです。
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