うしろすがたのしぐれてゆくか

愛するフレンチブルドッグと昨日と今日と明日と旅と。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
P1010377.jpg
先日。
視覚障害者とそのパートナーである盲導犬の誘導役を担当した。
それはそうと、かなり重度の方向音痴な私である。事前にスケジュールと東京駅構内の地図を用意し、当日は40分前に到着してトイレとタクシー乗り場の位置を確認。両手がふさがることのないよう荷物はすべてリュックに詰めてある。
よし、これでバッチリだよね?
P1010382.jpgP1010385.jpgP1010388.jpgP1010380.jpg
今回は盲導犬6頭とその利用者6人という大所帯。
1日目=東京駅→ニューオータニ(会合と宿泊)
2日目=ホテル→NHK→バスで渋谷駅→東京駅
予定はこんな感じ。
晴眼者(眼の見える人)が3人いるので、ひとりが2人と2頭を見ればいいから楽勝なはず。実際、前回は私ひとりで2人と2頭の誘導ができたわけだし。

それがそれが…
思っていたほど甘いものではなくて。

P1010395.jpg
まずは、とにもかくにも離ればなれになったり誰かが迷ってしまわないように、全員の見通しがきくようにと、縦一列になって歩くことにした。
誘導者は先頭(おじさん)と中程(私)、最後尾(青年)に散らばり、みんなで互いに声を掛け合いながら進んで行く。
私の左腕をひとりに掴んでもらって、その左横か真後ろにもうひとり歩いてもらう。そして、先頭集団からはぐれないように前方も気にしつつ、また、後ろの集団がちゃんとついて来ているか確かめながら歩かなくてはならない。
だから、実際には誘導者ひとりで結局4人~全員を見ながらという感じになるのだ。

P1010421.jpg
それでもはっと気付くと横についているはずのペアがどんどん左に逸れてゆく。
盲導犬は意外に歩くスピードが速いので、ほんの一瞬眼を離すと何メートルも進んで行ってしまう。その度に「○○さーーん! もっと右です、右~!」「あー! 真逆に行っちゃってますー」なんて叫びっぱなし。おかげで早くも声はガラガラ。
最終日に合流した人もいたので、名前も素早く覚えなくてはいけない。名前を間違って呼んじゃうとすべてが台無しになってしまう。
途中、渋谷駅で電車に乗り込む時なんて、ホームと電車の間がものすごく空いているものだから「大股でまたいで下さーい!」と説明する私に「大股ってどのくらい?」との質問が飛んだ。しかし、乗り遅れないようにと急ぐあまり瞬時に判断できず「すごく大股で!」なんて言ってしまって大反省。
「すごく」はマズイよねえ。編集者としても失格の言葉でした。
『何十センチくらい』と正確に伝えてあげなければ誘導している意味が無い。

P1010426.jpg
そういえば、バスの中はもっと大変だった。
当初、乗り込む人が私たちしかいなかったので「やっぱり優先席に乗った方がいいのかな」と考えて、みなさんを誘導した。
しかし読みはもろくもハズれ、そのあとで子供がたくさん乗り込んできた。
子供たちは大型犬が6頭もいるもんだから恐くて先に進めない。
子供を抱っこして受け取ったり、手を添えたりしてなんとかなったけれど、これも反省点のひとつ。慣れていないからとっさの状況判断がなかなか難しい。
「恐いよう…」と、泣き出しそうな子供にみなさんは『この犬たちは訓練されているから絶対に噛んだり吠えたりしないよ。恐くないからね~』なんて、明るく声をかけていた。
私がつい言ってしまった「大きい犬は怖いよね~、ごめんね」という言い方は、絶対的に正しくないのだとまたもや反省。
もはや誘導以前に人としてダメだな…と思い知らされた瞬間でした。

P1010427.jpg
そして、トイレの誘導もコツがいる。
まずは便座とトイレットペーパーの位置であるが、相手の手をそこまで持っていって、いっしょに触って確認してもらう。あとは水を流すレバーを探す。
ただ最近はレバー式のものはほとんど無くセンサーばかり。しかも場所がトイレによってまちまち。中にはドア側についているところもあって、見える私ですら探すのに苦労してしまうこともあった。
すべてを確認してもらうと私は洗面所で待ち、今度は蛇口まで誘導。今回は全員女性だったので、それらを私ひとりでやらなければならないのもちょっぴり大変だった。
終わった人から順に、トイレの外の安全を確保できる場所(しかも通行人の邪魔にならない)で待機してもらうことも重要。
そして誘導者はみんな汗だく。私は前日ほとんど寝ていないせいでフラフラ。

3連休だったせいか、東京駅の身体障害者用待合室は大にぎわい。次から次へと車いすの人や杖をついたお年寄りがやってくる。その度に私たちがイスを調達してきたりしたが、ついに足りなくなり外で待つ人も出てきた。
それにしても、世の中こんなに車いすの人が多いのか。

P1010406.jpg
途中、通行人から眉間にシワを寄せられたり「邪魔だな~」という顔をされたりすることもあった。みなさんは普段から慣れているのか、人混みを通る度に「すみません」と何度も言っている。私も気が付くと「すみません」「ごめんなさい」ばかり繰り返している。
出歩く度に恐縮してばかりというのは大変だと思う。
それとも、そんなのはこっちの勝手な思い込みなのだろうか。案外「そんなの気にしてたら生きていけないよ」なんて思っているのかも。聞けなかったけど。
だけどもうそろそろ、あんな風に頭を下げてまわって歩かなくてもいい世の中になればいい。車いすの人も以前よりずっと増えた気がするし。
こればっかりは周りが変わらなくちゃいけないんだろうな。

今回はかなり疲れたけど、なかなか楽しかった。いいことも悪いことも、盲導犬と人にまつわるいろんな興味深い話も聞けた。それから、ニューオータニのスタッフは本当に素晴らしかった。ずっと角角に立っていて、細かく誘導してくれた。これぞ本物のサービス業、というのか。頭が下がる思いでした。

別れ際、東京駅のホームで握手を求められ、何度も何度も「本当に助かりました」とお礼を言われた。だけど私自身、今回の誘導は反省点ばかりで、果たしてみんなの役に立てたのかちょっと不安があった。だけど後日、感謝のメールをもらい「次回もぜひお願いしたい」と書いてあった。
いやあ。やっぱり私は人としてまだまだだなあと思いましたよ。

P1010423.jpg
ところで、私が今回参加した盲導犬の協会は、他のところといくぶん考え方が異なっているようだ。パートナーを「盲導犬」とも呼んではいない。
ただ、私の少ない犬関係の知識で申し訳ないが、この協会の方針には賛同できるところも多い。パピーウォーカーさんとユーザーさんとの関係やリタイア犬のその後などについて、犬の身になって考えられていると思うのだ。
もしもこの協会に興味があるひとがいたらこちらをどうぞ。http://www.eyemate.org/
ユーザーさんのHPの紹介なんかもあって、なかなか面白いですよ。
スポンサーサイト


最近家に猫が勝手に入り込んで困るんだよ~
と言う全盲の祖父に
その猫何色だった?と聞いたことがあります
自分でもビックリしたのですが
祖父があまりにも普通すぎて
普通というのも変ですが
全盲という事を忘れていたというか
意識に無かったんです
いいのか悪いのかですけど
私が産まれたときからずっと叔父叔母も耳が聞こえないという環境にいるので
人類皆同じという意識で生活しているようです
それもどうかと思いました
その猫何色?はないな と
背の低い人に高いところのものを取ってと背の高い私が言うようなもんです
難しいんですけどなかなかなってみないとわからないことが多くて
でも全盲の人が生まれたときからいると食事の仕方を知っていたり
どうすればいいかというのは普通の事になってました
私のような環境が稀だという事も
本当の意味でわかったのは大人になってからでした
でも触れるという事が相手にとってはすごく助かることだという事も知っています
それは私たちも同じ事です
だから周りが変わらなくちゃいけないというのもすごくわかります
全員が理解するのは無理ですが
触れ合うのは誰にでも出来るのになぁと
あら 長くなってしまいました
スミマセン(笑)

2007.10.16 18:18 URL | ミミヨ #- [ 編集 ]

>ミミヨ さま
うちの親類縁者にも肢体不自由児や障害者が複数いるので
物心ついた時から障害者の運動会に参加したり
おじさん達の付き添いなどを頼まれることも多かったんです。
だけど私の場合は「皆同じ」とか「あたりまえのこと」という感覚にはなかなかなれなくて。というより周囲の人に対して苛立つことが多かったんです。
なので若い頃は、出かける度に周りにムカついてばかりでした。
例えば、障害者手帳を見せて公共の交通機関に乗り込む時。
見た目でわかるはずなのに、相手は手帳を隅々まで見てイヤミを言ったり
「チッ」と舌を鳴らして文句をつけてきたり。
早くから並んでいたのに最後尾に回されたり。
そういうのを何度も見ては子供心に思うことが多々ありました。
「やっぱり普通と違うから差別されるんだ」と感じたり。
いつのまにかちょっと世の中を斜めに見ちゃう子供に育ってました。
今回、東京のタクシーの運転手さんは手帳をチラッと見せただけで
すぐに割引いてくれて、みんな「東京はやっぱりいいね~」なんて言ってました。
「うちの方じゃこうはいかないよ」と。
今までミミヨさんが自然に普通のこととしてこられたのは、きっと家族を含めいい人に囲まれてきたんでしょうね。
でも私は、歳をとって随分丸くなったので、今は周りにもそんなにムカつかないし
何を言ってもどうしても分かり合えない人がいるということも知りました。
だからこの先も、できることだけやっていけばいいかな、と。
ホントに。触れ合うことはとても簡単で、とても大事なことなんですよねえ。。

2007.10.17 22:37 URL | チタリニ #- [ 編集 ]













管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://heyoka.blog68.fc2.com/tb.php/260-0141ef08

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。