うしろすがたのしぐれてゆくか

愛するフレンチブルドッグと昨日と今日と明日と旅と。

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ポカラからカトマンズまで行くには、グリーンラインというバスが便利。
値段が$10とリーズナブルなわりに、車内はきれいで広くてゆったり。貧乏旅行者にとってはつかの間のリラックスタイムを堪能できる…はず。

指定された席は最前列の左がわ。
眺めもいいし、最初はウキウキ気分で乗り込んだ。だけど右がわの列に座っていたおじさんが靴を脱いだとたんに、あたりの澄んだ空気が一変してしまった。もわんとした刺激臭があたりにたちこめてきたのだ。
あろうことか、そのプンプン臭う足を前の座席の背もたれにかけた。おかげでにおいはちょうど私たちの鼻の高さにがんがん襲いかかってくる。しかもそのおじさん、こっちを向いてニカッと歯を見せて笑ったりと、とても愛想のいい人だったりするから、どうにもやりきれない。
P1010257.jpg
しかしそんなことよりももっと忘れてはいけない重要な点がある。
実はこの路線、グリーンラインなどという美しい名前とはうらはらに、かなりの危険と隣り合わせだったのだ。
ご存知のとおりネパール(チベット)といえばチョモランマ。山岳地帯で有名だ。
だからそれはもう、外の景色をは見るのも恐ろしいほどの急勾配を上り下りする。大きな曲がり角にぶちあたるたびに、ドライバーは体全体を使ってぐるんぐるんハンドルを回している。まるで、遊園地のコーヒーカップを必死にぐるぐる回して友達と競争している小学生みたいに滑稽な慌ただしさだ。
まあ実際、滑稽だなんて思っている余裕はないんだけどさ。(だって、山岳地帯を超える急カーブなんだから)。
だけどそんな恐怖の瞬間でさえ、なぜだか笑いのツボってもんがあるんだよね。

ふと外を見れば底が見えないくらいの切り立った崖だったり、絶対にすれ違えないだろうと思うような細い道で車どうしがすれ違う。
しかも道中、横転しているトラックを実際に見てしまった。
見なきゃよかったと思ってもあとのまつり。頭の中は「転落」「日本人旅行者」「死」などの縁起でもない言葉がつぎつぎと浮かんでは消えてゆく。
日本を出るすこし前に偶然見た雑誌に、世界一周旅行に出た人が、やはり同じような山岳地帯でバスの転落事故に遭い亡くなってしまったと書いてあった。確かそのひとは昆明(クンミン=中国・雲南省)で事故に遭った。

そんなことを考えたり、うっかり外を見ようものなら心臓が口から出てしまいそうになる。だから目の前でハンドルをぐるんぐるん回している、その小柄なドライバーの背中を見つめながら、心の中で「頼んだぜーっ!」と、私たちを含めた乗客全員の運命を託すことしかできない。おっきな地球に生きて、そして振り回され続けているちっさい私のむなしさを実感した瞬間だったかしらね。

こういう路線と知っていたら乗らなかったかもしれないし、たぶんもう二度と乗ることもないだろう。極度に飛行機嫌いの私だけど、飛行機に乗った方がマシと思えるくらい危険きわまりない道程だった。

ただ、イスの座り心地が良かったことと、バスツアーにしては途中のトイレ休憩がとても多かったこと。休憩所で出された食事が美味しかったことがせめてもの救いだろうか。

そして、予定時間よりかなり到着が遅れたが、なんとか事故にも遭わず無事にカトマンズにたどり着いた。
ターミナルには、約束通りお迎えのホテルマンが待っていてくれた。
いったい何時間ここで待っていたのかと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。しかも、通常料金の3分の1で泊めてもらえるように事前に交渉してもらってあるという、まったく儲けにならない客なのだ。
だけど、彼らにとってはいつものことなのかもしれない。
電車もバスも飛行機も遅れるのがあたりまえ。
どんな客だって来てくれるだけラッキー。

…っていうか、だんごさんの顔。モザイクかけてもぜんぜん変わらない…

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